Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

お父さんと伊藤さん

フリーターの娘(34歳)とその彼氏(バツイチ54歳)。2人が暮らす古いアパートに、突然娘の父親(74歳)が転がり込んでくる。ちょうど20歳ずつ離れた3人の共同生活は当然ぎこちなく小さな衝突だらけ――。『百万円と苦虫女』のタナダユキ監督が中澤日菜子の同名小説を映画化。上野樹里リリー・フランキー藤竜也というキャスティングがうまい。西日が当たるシーンが多いのは、老いた男親の居場所のなさを表しているようでどこか切ないが、印象的である。そして、“正解”のない家族の在り方に想いをめぐらす。

【CDジャーナル 2017年04月号掲載】