Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

アイヒマンの後継者

何も知らない被験者に他人に電気ショックを与える課題を出し、“良識ある人間がなぜ残虐行為に走るのか”“人はいかに権威に服従するか”を検証する、60年代の有名な社会心理学の実験。そのほか、今では倫理的に許されそうもない実験の数々をおりまぜ、ある科学者の人生を描く。もともとは“ナチスホロコーストはなぜ起こったか”という疑問に対しての純粋な科学的探求だが、やはりどの場面も痛々しい。後味はけっして良くないものの、これも人間社会を紐解くための必要悪というものか。

【CDジャーナル 2017年07月号掲載】