Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

君の名前で僕を呼んで

頭や手足を欠損したギリシャ裸像がかえって官能的に映るように、けっして結実しない恋はその不完全さゆえに美しく見える。1983年の夏、学者の父と北イタリアの避暑地を訪れた17歳の少年。父が呼び寄せた24歳の大学院生と生活をともにするうち、少年は自分の性を制御できなくなる。ガールフレンドとはセックスできても、互いに牽制し合って成立しない青年と少年のセックス──。『眺めのいい部屋』『モーリス』監督のJ・アイボリーが脚色を担当、米アカデミーをはじめ各国映画祭で軒並みに脚色賞を受賞。

【CDジャーナル 2018年10月号掲載】