Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

彼の見つめる先に

まだ女の子のほうが少し背が高い、思春期の真ん中あたり。
盲目の少年とその幼馴染の少女の関係がひとつ前に進もうとしていたころ、その間に割り込む形で、ひとりの転校生がやってきた。
親に内緒のパーティや真夜中のプール、初めてのキスへの期待や不安。
目が見えないだけに強調して感じられる他人の体温や匂い、息づかいの音は、観客にも伝わってくる。
視覚障害や少年と少年の恋というやや特殊な題材をとりつつ、誰もが共感できる普遍的で優しい青春映画となった。
いつの間にか嫉妬に囚われている少女が切ない。

【CDジャーナル 2018年12月号掲載】