Shota’s Movie Review

2003年から「CDジャーナル」誌(音楽出版社 刊)に掲載されてきた映画レビューを再録しています。

ウインド・リバー

白人により極寒の居留地に押し込まれてくらす米国先住民。ある雪の深い夜に一人の少女が裸同然で雪道を逃げ、冷たくなって発見される。
死んだ少女は実は他にもいたが、訪れたのはFBIの若い女性捜査官ひとり──。
雪の強い閉塞感。社会からの隔絶感。そこでは女が虐げられる。監督・脚本のテイラー・シェリダンいわく「ガンより殺人による死亡率が高く、強姦は少女にとって通過儀礼だと見なされるような場所」。
三者が“もう済んだ過去”と見捨てがちな居留地も強姦も、当事者にとっては“身を切るような現在”だ。

【CDジャーナル 2018年12月号掲載】